Attitude とBehavior と「人との付き合い方」

                                                    "attitude" "behavior"<br /><br />このふたつの英語は人間を理解する上で非常に大切な単語です。 しかも意味はまったく異なります。<br /><br />日本で英語指導をしていると、この違いを説明するのにかなり工夫が必要です。 なぜなら、日本語では非常に似通った、またはほぼ同じ意味で捉えられることが一般的だからです。 というより、日本人の概念にはattitude とbehavior の違いはないのではとも理解できます。<br /><br />Attitudeを日本語にすると、「姿勢、身構え、態度」と出てきます。 えらく曖昧な感じ熟語が並びます。<br /><br />本当の英語の意味はまず: a mental position with regard to a fact or state 物事や、状態に対して、自分がどのように判断しどのような意見、信条を持っているかなどの考え方そのものを指します。<br /><br />例えば、a helpful attitude。 実際に飛び回って助けているかは問題ではなく、「助けるのは当然だ。」という考え方をしていることです。 脳が保持するその考え方は、もちろん何となく表情や話し方にも現れますので、周りにも自然とわかっていきます。<br /><br />こんな意味も有効です: a feeling or emotion toward a fact or state  考え、信条を持つと、それには感情が自然に付随します。 それも表に自ずと現れます。 それをattitude といいます。<br /><br />特に何も動きをする必要もないし、言葉で説明、主張する必要もありません。 <br />それがattitudeです。<br /><br />それに引き替えbehaviorは完全に外から観察出来る人間の行動です。<br /><br />英和辞典にはまたしても、抽象的な熟語が並んでいます。 「行儀、品行、態度、ふるまい」。<br />Attitude にも、behavior にも同じ「態度」が出てきています。  混乱するはずですね、英語を勉強する人たちには。<br /><br />本当の英語の意味はまず:the manner of conducting oneself  要するに行動の仕方です。 外から観察可能です。<br /><br />二つ目の意味は: anything that an organism does involving action and response to stimulation  周りに反応して起こす行動。 またしても、観察可能です。<br /><br />3つ目の意味は: the response of an individual, group, or species to its environment 個人だけでなく、団体や、生物の種全体が周りの環境に反応してとる行動も指します。  これら観察可能な行動を研究している科学者がずいぶん多いですね。  早く言えば、この分野が心理学です。<br /><br />カナダという外国で、日本人としてビジネスをするときにいつも心がけていること。 自分が正しいと信じていることは絶対曲げないこと。 どんな場面でも、文化の違いかも・・とふとぐらつく時も、極端な場合は、脅されても、です。 それがattitude 。<br /><br />もちろん、外から簡単に観察出来るbehavior はあくまでも「郷に入っては郷に従え。」きちんと英語圏のマナーを守ります。 英語の使い方も気を使います。 礼儀正しい日本人として、しかも、絶対ゆるぎない自信に満ちたattitude を持った人間として相手に認めてもらいます。<br /><br />その後は、ビジネスもずいぶんやりやすくなって来ます。 &ldquo;Japanese with attitude&rdquo; と呼ばれたこともあります。 これを日本語にすると否定的な意味になりますね、「態度の悪い日本人」。 本来の英語の意味を生かすと「態度のある日本人」の方が正確だと思いますが。<br /><br />日本での仕事付き合いも同じです。 私は個人のbusiness entrepreneur ですので、上司にヘイヘイ頭を下げる必要がないのはとてもラッキーですが、仕事の付き合い上、男尊女卑傾向の根強く残る日本のビジネスおじさん達との付き合いも少々あります。<br /><br />私のattitude は「Critical Thinking のない議論はNo Way」です。 表情はにこやかでも、絶対譲れないことは譲りませんし、質問もどんどんしますし、「なぜですか?」「例えば?」攻撃も緩みません。 そんなattitudeに呼応出来る日本のビジネスパーソンとは非常にうまく行くのを実感しています。 それでへそを曲げる人たちは切り捨ててもまったく損失は感じません。<br /><br />もっと小さな宇宙に話を移すと、「近所付き合い」も同じだと思います。 同じ年頃の子供を持っているので仲良くしなくてはいけないんだけど、どうもほかのお母さんたちと合わない。 仲間外れにされるのは嫌だけど、我慢もしたくない・・・。 などなど。<br /><br />そもそも、「ご近所さんは仲良くなければいけない。」という思い込みを持っているか、持っていないかがattitude の大きな違いになると思います。 じゃあ、「仲良くする必要はない。」と思っている人は「喧嘩」しますか? いえいえ、外に出る行動は普通に、「挨拶」。 無理やりつんけんする必要はないですね。<br /><br />「私はあなたとは親しくなるつもりは更々ありません。 考え方があまりにも違うから。 でも、違う人間だからと言って、喧嘩してあなたのattitudeを正すつもりもありません。 もちろん、あなたにも私のattitudeを正す権利はないことを認識してほしいです。」<br /><br />こんな信条を曲げないこと。 これがattitudeです。 世界の国々相手の外交にもこれと同じattitudeが必要ですね。<br /><br />自分の考えを一々曲げていては世界の独立国家としては生きていけませんし、考えが異なる、相手の考えが気に入らないといっても戦争をするわけにもいきません。<br /><br />人との付き合いも同じだと思います。<br /><br />私のコラム、ブログ、facebook、質問回答、また普段の活動から、私の持つattitude を感じた読者の方からご相談をいただきました。 近所付き合いの難しさに関して。 それへの回答と、激励の意味を兼ねてこのコラムになりました。<br /><br />「どうしたらいいでしょう?」<br /><br />答えは、「Attitude」です。<br /><br />Have attitude, and keep your dignity.